フォアローゼズ

ケンタッキー州ローレンスバーグに位置するフォアローゼズ。1888年に創業した歴史ある蒸溜所ですが、現在の拠点に移動したのが1910年。

そこから110年以上イエローカラーの建物（蒸溜塔）は当時のものが今もなお使用されており歴史を感じられます。

それはとある舞踏会。創始者であるポール ジョーンズJr.は一人の美女に一目ぼれし、迷わずにプロポーズしました。しかし彼女はこう答えました。

どうか次の舞踏会までお待ちください。
プロポーズをお受けするなら
薔薇のコサージュを付けて参ります

そして約束の舞踏会の夜。彼女は4輪の真紅の薔薇を胸に彼の前に現れました。



そんなエピソードからFourRoses(4輪の薔薇)と名付けられ、ラベルには薔薇のコサージュが描かれていると言われています。


フォアローゼズの原料は、コーン、ライ麦、大麦麦芽。比率の違う2種類のマッシュビル（原料）と5種類の酵母が掛け合わされることで、10種類の原酒を作り分けていることが最大の特徴です。ファーメンター（発酵槽）は48槽と常に原酒作りができるよう熟練の職人によってビアウォッシュが作られています。

蒸溜されたスピリッツは香り、味、色味がフォアローゼズにふさわしいクオリティであるかテイスティングが行われ、出来栄えの良いスピリッツがウェアハウス（熟成庫）へ移されます。夏は30℃を超え、冬は-20℃まで冷え込むこの土地の寒暖差が理想的な熟成を促します。

熟成の期間は通常5～8年。ときに10年を超えるものもあります。長い熟成期間を経て熟成のピークを迎えた原酒は、ブレンダーによって樽ごとにテイスティングを行い、樽ごとの味や香りの特徴を見極め、最高のバランスとなるようにミングリング（ブレンディング）を行い、フォアローゼズらしいまろやかな味わいと華やかな香りのウイスキーとなります。

原料比率を変えて作られたマッシュビルは「B」か「E」かでその味わいに大きな違いが出ます。これがフォアローゼズの個性でもあります。

ウイスキーの「風味と香り」の要である酵母を5種を使用することでフレーバーと味わいの異なる原酒10種造り分けています。フルーティーなものからスパイシー、ハーブなど全く異なった顔を持つ原酒もブレンドすることで多彩な味わいのウイスキーを生み出すことができます。

それぞれのマッシュビル、酵母を組み合わせてできた原酒は10種類に分類され、それぞれの製品ごとにブレンド（シングルバレルの場合は単一原酒を使用）して瓶詰が行われます。