セラス ピノノワール 2013 アンティカ テッラ 750ml 赤ワイン アメリカ オレゴン カルトワイン

≪ワインについて≫
“ミネラリティ”をテーマにつくられるキュヴェ。果実や花よりも砕いた岩やハーブ、秋の葉のアロマが印象的です。全体的にシルキーな質感ながら随所にエッジの効いた緻密なタンニンを感じられ、赤系より黒系果実の風味が多く現れます。味わいの層が幾重にもなり、非常に長い余韻を残します。

≪生産者について≫
知る人ぞ知るオレゴンのスーパーカルトワイン、アンティカ・テッラ。同じくカルトワインとして名高いカリフォルニアのシネ・クア・ノンの元醸造家マギー・ハリソン氏によるワイナリーです。ピノ・ノワールにフォーカスし、リリースするほぼ全てのキュヴェが評価誌で90点台、常に桁外れのクオリティを生み出しています。

ワイナリーの拠点はウィラメット・ヴァレーのエオラ・アミティ・ヒルズにある岩だらけの丘陵地。露出した岩、急勾配の斜面、開けたパノラマビューがスケールと迫力を感じさせる土地です。1989年に最初のブドウを植樹、現在は7種のピノ・ノワールのクローンとシャルドネ、ルーサンヌを栽培しています。2007年には完全オーガニック栽培へと転換しました。かつて海底であった土地のため、痩せた土壌には砂岩や沖積土、カキの貝殻の化石が混ざります。西風が絶えずブドウ樹の間を吹き抜け、午後の日差しが畑を照らします。ブドウ樹は常に厳しい環境に置かれ、小粒で果皮が厚く高密度の果実を実らせます。これらの条件下で得られる低収量のブドウから強烈に凝縮した複雑なワインが生まれます。

栽培環境は非常に個性的ながら、醸造は至ってシンプルです。自然酵母による自然発酵、手作業でのピジャージュと足踏みによるエキスの抽出、電動ポンプは使用せずサイフォンやバケツでワインを移し替え、低温でのデブルバージュや澱引き、清澄や濾過は行いません。あくまでブドウ本来の品質に全力を注ぎ、卓越した品質に仕上げています。

マギー・ハリソン氏のワイン造りへのアプローチは、人の手による微細な努力の積み重ねに美が宿るという考え方に基づいています。ワインの品質をpHや度数、SO2の量などと単純に結びつける還元主義な思考を捨て、果実やブドウ樹と人的サポートとの相互作用によって品質が決まると信じています。丹念に育てられ計り知れない個性を備えたピノ・ノワールは飲む者の心を掴んで離しません。