シルキーなタンニンと複雑で奥行きのある味わい
ドクター ヘイガ―
イーリンガー フォルダーラー ヴィンクラーベルク 2015 750ml
ドイツ 赤ワイン

≪ワインについて≫
イーリンガー・ヴィンクラーベルクはカイザーシュトゥールの中でも特に温暖な場所で、火山岩の混じる急斜面を有し、高品質ワインに絶好の条件が揃っています。グラスに注ぐと完熟した甘やかなチェリーやブラックベリー、スミレの強い芳香が立ち上ります。アタックは濃厚で温かみがありなめらか、ふくよかな果実味をビロードのようなタンニンが支えています。仄かなスモーキーさやビターオレンジ、クローヴやシナモンなどのスパイスのニュアンスが備わる深く複雑な味わい。長期熟成のポテンシャルも存分に備えています。

≪生産者について≫
ドクター・ヘイガーはバーデン・カイザーシュトゥールで名を馳せるワインメーカーであり、その素晴らしさは評論家やワイン愛好家からもお墨付きです。ロバート・パーカーでも2013年ごろから着目され、以来毎年白赤ともほとんど90点を下回らない高水準をキープし続けています。

ヘイガーはカイザーシュトゥールに約28haの畑を所有しており、その大半がVDP最高位のグローセ・ラーゲです。中にはイーリンガー・ヴィンクラーベルクやアッハカレン・シュロスベルクといった銘醸地も含まれます。自然環境に配慮したアプローチに重点を起き、畑では殺虫剤や除草剤、金属含有質などは一切使用しません。カイザーシュトゥールの渓谷に面した一帯は温暖で雨が少なく、玄武岩や岩石、石灰岩などの混じる火山性土壌が広がり、マグネシウムやミネラルが非常に豊かです。栽培品種はピノ・ノワール、ピノ・グリ、ピノ・ブランを中心にリースリングやシルヴァーナー、さらに温暖な気候を好むシラーやカベルネなど多岐に渡ります。ブドウは比較的早い時期に収穫されるため、ヘイガーのワインはフレッシュで焦点が定まり、非常にエレガントでフィネスに満ちています。特に注力しているのは古木のシュペートブルグンダーで、ブルゴーニュに劣らぬ深みと凝縮感、複雑さと力強さがあり、バーデン最高級のピノ・ノワールと謳われています。

醸造においては伝統的な手法と最先端の技術の両方を駆使し、ステンレスタンクから大樽、バリックまでを使い分けます。醸造家のマルクス氏はフレンチオークのタランソーをこよなく愛し、とりわけピノ・ノワールやシラーはフランス顔負けの熟成型ワインに仕上げられます。また、上級レンジだけでなく、「ヘーガー・ワイン・ハウス」の名で契約栽培農家の購入ブドウからクオリティの高いデイリーワインも生産しています。

開業医であったマックス・ヘーガー氏のワイン造りの趣味が高じて1936年に幕を開けたドクター・ヘイガー。息子のミムス氏、孫のヨアヒム氏へと受け継がれ、ワールドクラスのワイナリーへと成長しました。今日これほど多くのグローセス・ゲヴェックスを揃える生産者はほとんどありません。複雑でスモーキー、力強くエレガントな特徴を備えたヘイガーのワインからは、カイザーシュトゥールへの敬意と最高の物だけを生み出すという高い誇りを感じ取ることができます。